
明治村に行ってきました。
写真は、旧帝国ホテル玄関です。
日本にまだなじみの薄い 洋風建築を
いかに造るか。職人さんの心意気が
伝わってくるようで、とても好きです。
さて、広い敷地に 教会、写真館、
学校など、見て回ると、足は棒。
おなかはペコペコになりました。
そこで、有名な「牛鍋」を いただくことにしました。
そのお店で 見た 家族の話を書きます。
(ちょっと)長いです)
私たちが予約した時間より 少し早めにお店の前に着くと、親子連れが やはり私たちのように、順番を待っていました。 ただ、家族の雰囲気は、緊張感が漂っていました。家族は若いお父さんとお母さん。小学校入る前くらいのお兄ちゃんと、幼稚園に入ったばかりくらいの弟君の4人家族。どうもお兄ちゃんが、なにか気に入らないことがあったのか、疲れすぎたのか、「もうやだ!」「帰る」と不機嫌にダダをこねている様子。今にも泣きそうですし、どこかに逃げていきそうな勢いでした。お母さんは、最初は「ここのお肉はおいしいよ」となだめていましたが、お兄ちゃんはいっこうに聞き入れてくれません。私は、ああーこういう頃があったなーと、子育て真っ最中の自分を思い出していました。さて、おにいちゃんはなかなか機嫌が直らないので、お母さんは、怒れてきたのか、「しらない、どこでも行けばいいでしょう」と切り口上になっていました。それでも、食事に呼ばれると、4人は店の中に入っていきました。私は、楽しみにしていたおいしいお肉が、お兄ちゃんの泣き声で 台無しになるのは勘弁してほしいなーと思っていました。が、なんと、私たちのテーブルは彼のすぐ隣。私のななめ右にお兄ちゃんはお父さんに抱っこされていたのです。牛鍋は真っ赤な炭の入った七輪で炊くので、お兄ちゃんが暴れたら、参ったなあーと思いながら、私はお兄ちゃんを見ていました。けれどお兄ちゃんは「こんなのおいしくない」と言いながらも、おとうさんの抱っこから離れようとはしないようで、おとうさんの「ごはんたべてごらん」というコトバに、とりあえず、小さなお茶碗を手にしました。お母さんと弟君は「おにくおいしい」とか言いながら、セッセと箸を動かしていました。
私も、牛鍋が用意されると あまりのおいしさに、「ご飯完食しちゃった!」と食べることに夢中になっていました。 フト気がつくと、お兄ちゃんはお父さんの抱っこから離れて、一人で座ってご飯を食べていました。ニコニコとまではなっていないけれど、おなかも気持ちも落ち着いてきたようです。そこでお母さんがなにか言ったようでした。私には聞こえませんでしたが、お父さんが茶碗を持って食事をしだしました。なんと、お父さんはお兄ちゃんを抱っこしている間は食事をしていなかったようです。お父さんは鍋の残りをつついていました。ずっとお兄ちゃんの機嫌が回復するのを待っていたお父さん。私は子育てについて話をするとき、「ゆっくりと子供の気持ちを受け止めてください」と言ったりします。まさしく、このお父さんは、忍耐強く、優しくお兄ちゃんの気持ちを受け止めて、お兄ちゃんが不機嫌がおさまるのを見守っていたのです。この支えが、いつかお兄ちゃんは、お父さんの手助け無くても、自分の気持ちを切り替えることができるようになると思います。
この食事の後も この家族は楽しく明治村を回ったとおもいます。